「本物らしい」を、とことん勉強しよう!
それが、キャラクターにいのちを宿すカギ

声優を目指す高校生たちが参加した3日間の夏期講習の最終日に、関俊彦さんがやってきた!!
“アニメのキャラクターにいのちを吹き込む”とは、よく耳にする言葉だけれど、
私たちが心を動かされるのには、秘密があった。
まるで演技指導のような濃厚な講義に高校生たちも真剣な眼差しで挑んだ。

「本物らしい」を、とことん勉強しよう!
それが、キャラクターにいのちを宿すカギ

声優を目指す高校生たちが参加した3日間の夏期講習の最終日に、関俊彦さんがやってきた!!
“アニメのキャラクターにいのちを吹き込む”とは、よく耳にする言葉だけれど、
私たちが心を動かされるのには、秘密があった。
まるで演技指導のような濃厚な講義に高校生たちも真剣な眼差しで挑んだ。

関 俊彦
Toshihiko Seki

代表作は特撮『仮面ライダー電王』モモタロスの声、『最遊記』シリーズの玄奘三蔵など。『ふえはうたう』では笛のお兄さんとして8年間顔出し出演も。歌唱力に定評があり200曲以上リリース。『仮面ライダー電王』から発売されたCDは社会現象にまでなり、共演者と共に第二回声優アワードシナジー賞を受賞。81プロデュース所属。

関俊彦

呼吸、間合い、足さばき……剣道と芝居がオーバーラップした

司会
司会
役者になったきっかけを教えてください。

関俊彦関 俊彦

中学、高校と剣道部に所属し、特に高校は本当に厳しい稽古でした。大学では別のことをやりたくて、女優の川路夏子さんが開いていた芝居教室に通い始めたんです。今、分析すると、「セリフを道しるべにすれば、自分はこういう人間だと表現できる」と思ったのかもしれません。とにかく人前で話したり表現したりするのが苦手だったので、その反動から、自分を表現したい気持ちにかられたのではないでしょうか。
司会
司会
剣道から芝居の世界へ。

関俊彦関 俊彦

そう、全く違う世界のようですが、でも実際にやってみると呼吸とか間合いとか足さばきとか。相手とセリフのキャッチボールをする芝居と、相手とせめぎ合いをする武道が共通しているように感じて、のめり込んでいきました。

一生かけて「難しい…」と「楽しい!」を行ったり来たりする仕事

司会
司会
その後、声優に?

関俊彦関 俊彦

私が所属している81プロデュースは、当時は小規模でしたが勢いがあり、いろんなことに挑戦しようという雰囲気でした。私も預かりになった時は「舞台でお芝居をしていきます」と社長に話し、小劇場に立っていたんです。次第に事務所の事業の中で声優の占める割合が高くなり、声の仕事をいただくように。初仕事はNHK『太陽の子エステバン』の兵士役。ヤリに刺されて「ギャアァァー」と倒れるひと言を十数回。ディレクターさんから「君、鳥の鳴き声にしか聞こえないよ」って。
全員
全員
(笑)
司会
司会
新人時代はひと言から始まり、苦労されているんですね。若手はガヤ(その他大勢の、ガヤガヤした場をアドリブで声にする役者)も大切とよく聞きます。

関俊彦関 俊彦

率先して、やって欲しいですね。その他大勢であっても「あっ、今アドリブでいいセリフ出たね。誰?」なんてちゃんと見ている人がいて、次につながることもあります。
司会
司会
作品に声を当てるという、この仕事の難しさと楽しさを教えてください。

関俊彦関 俊彦

最初は、仕事の機会を与えられて嬉しくてワクワクします。徐々に「こんな表現じゃダメだ」「もっと別の感情が生まれてこなくちゃ」と難しさに直面します。その難しさを、トレーニングに裏打ちされた技術や感情によって一つだけでも乗り越えて実を結んだ時、理屈抜きに「楽しい!」と感じます。難しいと楽しいを、一生かけて、行ったり来たりする仕事ですね。

世界の人の数だけ個性はあるけれど磨かないと表に出てこない

関俊彦関 俊彦

アニメの難しさ・楽しさは、二次元のキャラクターに声を乗せて立体感を持たせ、まるでいのちを吹き込んだかのように見せられるかどうかだと思います。それには、リアリティのある、誇張とデフォルメが大事です。
司会
司会
どういうことでしょう。

関俊彦関 俊彦

例えば時代劇の立ち回りシーンに、剣道の達人が真剣を持って出演したら…。達人は刀の扱いに長けていますが、ドラマとして迫力が出るでしょうか。〝ナチュラリズム=自然体〞ではあるけれど、きっと〝リアリティ=本物らしさ〞に欠けます。それよりも、演技力のある役者が本物らしく立ち回るほうが、物語の状況を説明でき、迫力のある作品になる。それが演技です。
司会
司会
なるほど。

関俊彦関 俊彦

普通に話している=自然の演技と言われることもありますが、アニメというフィルターを通してその〝自然の演技〞をすると、味気ない表現になりがちです。ですから皆さんには、〝リアリティ=本物らしい〞とはどういうことなのか、勉強してほしい。
全員
全員
はい!
司会
司会
では皆さんから質問を。
参加者A
参加者A
アニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の悪役・エンブリヲに釘付けでした。悪役を演じる時に心掛けていることはありますか?

関俊彦関 俊彦

悪人でも善人でも、その人にしかない癖を見つけるようにしています。個性を一つ見つけられたら、役作りはほぼ成功。毎回、それに四苦八苦ですが…。皆さんは、自身の個性を大切にしてください。世界中にいる人の数だけ個性はありますが、磨かないと表に出てきません。何事にも挑戦し、技を身に付け、大勢の人と接し、笑って、泣いて。豊かな経験とチャレンジ精神が、人としての魅力につながります。頑張ってください。
全員
全員
はい! ありがとうございました。