関智一
「芝居をどれぐらい愛しているか」常に自分に聞いてみて
東日本大震災から2週間。春期講習に参加した高校生たちが「おはようございます!」とお出迎えすると、「元気な挨拶にパワーをもらいました。ありがとう!」と関 智一さん。高校生と同じ目線に立ってフランクに、とても大切なことを教えてくれた。

大型スーパーの前でマジグリーンに変身☆

<TSA市原理事長>(以下、市原)

声優のお仕事をされて何年ですか? その中で人生を大きく変えた作品は?


<関智一>(以下、関)

そろそろ20年です。デビューから3年目ぐらいに『機動武闘伝Gガンダム』の主演をやったことは、その後の人生に影響していると思います。


<市原>

『ドラえもん』も最初は大変だったでしょう。


<関>

収録以外の日に台本の読み合わせがありました。舞台やドラマでは行いますが、アニメでは大変珍しいこと。声優陣の世代交代は、キャラクターを延命させるいい輸血でないといけない。さらに何十年も子供たちに愛されるキャラクターにしないといけないという、スタッフの熱意を感じましたね。


<市原>

仕事もそうだと思いますが「楽しい!」と感じる時間は?


<関>

何より特撮に関わることをしている時は快感です(笑)。3、4年前に、アクションをやっている知り合いのツテでヒーローショーに出させてもらったんです。スーパーの入り口で。


<市原>

カブリもの?


<関>

はい、『魔法戦隊マジレンジャー』のマジグリーン。


<全員>

エッー!


<関>

子供と握手をする時が一番嬉しかったけど、話しかけられても声を出せなくて。僕はテレビに出ているマジグリーンじゃなくて、偽物だから。でもその知人から「子供の前にいる関さんがマジグリーンなんだから、話せばいい。僕はマスクの中から大きな声で話しますよ」といわれて、後悔したんですけどね。子供たちが本気で応援しているヒーローショーは、お客さんとのライブ感がもっとも素直に出る素晴らしいエンターテイメント。皆さんもぜひ観てください。


叩きのめされても離れられない“悪い女”

<市原>

皆さんからもぜひ質問を!


<参加者>

プロになる前と後で、気持ちの変化はありましたか?


<関>

名前をよく見る、売れている人のほうがすごいと思っていたけれど、売れてようが売れてまいが、例え脚光を浴びる役でなくとも、絶え間なく現場に出続けていることがどれだけすごいことか。それはプロになって初めて知りました。この業界は世代交代もあって、1回売れた経験をすると、ダメな時に相当落ち込んだりして心の振幅が激しいんです。そんな中、心の強さをそなえた着実性のある先輩方を見た時に「こうならないといけない」と思いました。


<参加者>

「声優をやりたくない」と思うことはありますか?


<関>

人間なんでね、めんどくせーなんて思うことも(笑)。でも根っこで愛してるから、またやろうという気持ちに。叩きのめされることもあるけれど、離れられない。悪い女につかまったみたいにね。


<全員>

(爆笑)


<関>

愛が大切なんです。「好き」っていろんな幅があるでしょ。“ドラクエ”が発売されたら、有休とって並んで買って何日も徹夜してやる人もいれば、落ちついた頃に手に入れて休日にやる人も。芝居に対する愛が、有休とって並んで徹夜するぐらいであれば、もうそれだけで十分なパワーを生みます。自分がどれだけ芝居を愛しているか、常にチェックしてください。


<参加者>

役者は日々成長すると聞きますが、努力されていることはありますか?


<関>

努力というか…「一芸に秀でる者は多芸に通ずる」というので、好きなことをトコトンやるように。成長という面では、実は僕と皆は変わらないんですよ。舞台を作っていく過程でとっくみあいの喧嘩もするし、指摘を受けて「出来ないよ、ワァー」ってなることも。日々、目の前に直面したものに懸命に向き合っていく、そんな感じでやっています。先輩としては、皆にいい見本を見せられるように楽しく芝居をやっていきたいですね。皆も頑張ってください。


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