堀内賢雄
やらない限り、道はない。懸命にやらないと後悔は常につきまとう
トム・クルーズでおなじみ、ダンディな声の主はイモムシ役でデビュー!?全国の高校生が集まる春期講習に現れた堀内賢雄さんは、ご自身の経験をおおらかに、かつ骨太のメッセージをちりばめながら語り尽くしてくれた。

芋虫の気持ちわかってないと、監督に怒られた

<TSA市原理事長>(以下、市原)

賢雄さんはどのようにして声優の世界に入ったのか、聞きたいよね?


<全員>

聞きたい!


<堀内賢雄>(以下、堀内)

いい返事ですね、これ一番大事なんですよ。さて僕は19歳ごろに、ディスクジョッキーになりたくて上京してきました。まずはここの関連校の東京アナウンス・声優アカデミーで、基礎をみっちり勉強。だから、僕は君たちの先輩だよ〜♪


<全員>

(拍手と大歓声)


<堀内>

(笑)その後「DJやらせてください」とディスコに飛び込みで入り、しゃべりを活かそうと祭りの司会をやったり、夜の店でお客さんにカラオケの案内をしたり。「靴を見るとその人がわかります。いい靴はいていらっしゃいますね〜」なんてお客さんをおだてながら、僕はガンガン上っていくわけ(笑)。

「でもメジャーになりたいなぁ」なんて思い始めたころに、日本テレビのプロデューサーに出会ってお昼のワイドショーのレポーターをやることに!ところが今まで適当にしゃべることは知っていたけれど、心がなかったんだよね。「なぜ上っ面でしゃべる? 気持ちがなければ言葉は伝わらない!」って怒られてね。「ただナレーションだけはハートがある」と言われ声優事務所に入ったの。でもね、発声や発音などの基礎は勉強したけれど、そもそも声優志望じゃないから芝居は全然やってなかった。だからもう毎回、収録も居残り。アニメデビューは芋虫だったんですよ(笑)。そこでも「お前、芋虫の気持ちがわかってない!」って監督に怒られて。


<全員>

(爆笑)


<堀内>

当時は「バカなこと言ってるなぁ」なんて思ったけど、今ならその監督の言わんとすることはわかるよね。それから毎日勉強しました。どんどん芝居が好きになればなるほど、上手くなりたいって思って、悔しくて、悔しくて一生懸命にやった。今でもね。でもこの世界にゴールはないんだよ、それがまた面白い。


<市原>

それだけ頑張れるのも、基礎があるからこそ、ですね。


<堀内>

それは間違いない! 発声や滑舌なんて、もっとも面白くないことなんです。でも一番面白くないことに一番力を入れないと、プロにはなれない。


チャーリー・シーンか はたまた堀内賢雄か!?

<市原>

数々のお仕事のなかで、これは満足がいったというものは?


<堀内賢雄>(以下、堀内)

1回だけなんですけどね。『プラトーン』という映画で、チャーリー・シーンがベトナムの戦地にいて、声を当てている僕もベトナムにいる感覚に! 自分がチャーリー・シーンだか、堀内賢雄だかわからなくなっちゃって、すっごい快感でした。

鳥肌が立つほどの興奮! 全作品そうなりたいと思ってやってるんですけどね。


<市原>

ベテランの方がこれだけの向上心をもってやっているんだから、皆もやらないとダメだな。


<堀内>

やらない限り道はない。とにかく芝居が好きになること。

そしてこういう学校に来たら徹底的に恥をかく。照れたら意味ナシ。あとはどれだけ多くの人に出会って、どれだけ多くの人を見て、芝居に活かせるか。

この前、アニメで酔っぱらい役だったんですよ。俺、ブラッド・ピットもやってるんだよ。


<全員>

(爆笑)


<堀内>

でも全然平気。いつも酔っぱらいを見てるから(笑)。年がら年中、いろんな人を見ている。

だから上京して「バイト嫌だな」なんて思わないで、そこでいろんな人に出会って観察すること。


<全員>

はい!


<堀内>

地方から来ると、東京はきらびやかで誘惑も多いんだよね。で、しばらくすると、のんびりした田舎が恋しくなる。でも帰っちゃダメ。諦める時は、やって、やって、やりまくってから。

一生懸命やらなかったことの後悔は、常につきまとうよ。さぁ頑張って!


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