GRADUATES
第一線で活躍する多くのTSAの卒業生たち
賢プロダクション所属
代永 翼
主な出演作アニメ
- 『カードファイト!! ヴァンガード』先導アイチ(主役)
- 『おおきく振りかぶって』三橋廉(主役)
- 『ちはやふる』駒野勉
- 『弱虫ペダル』真波山岳
- 『アイドリッシュセブン』和泉三月
- 『Free!』葉月渚
- 『BAKUMATSU〜恋愛幕末カレシ 外伝〜』沖田総司
- 『曇天に笑う』曇宙太郎
『イナズマイレブン GO ギャラクシー』皆帆和人
- 『テイルズ オブ エクシリア』ジュード・マティス(主役) ほか
当時のレッスンはスタジオでの演技に生きています
主演したデビュー作の現場はまるで家族のような雰囲気
ー デビュー作がアニメ『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』の主人公!どんな経緯で決まったんですか?
代永 賢プロダクションの預かりになった1年目にお話をいただきました。まずは1次審査のために、事務所のスタジオでテープを録音。「もう1度録り直したいなぁ」とモヤモヤした気持ちでいたら「2次審査に進みました」と連絡をいただいて。
ー だんだん絞られていくんですね。
代永 テープだけで決まる作品もありますし、役者さんを集めて声のバランスや掛け合いを見ながら選ぶ作品もあるようです。僕はこれが初オーディションだったので、「受かりました」の連絡をいただいたときは不安のほうが大きかったですね。
ー 初現場はいかがでしたか?
代永 いや〜もう〜緊張しっぱなしでした。台本を持つ手は震えるし、マイク前に立ったら足はガクガクしてくるし。学校でもマイクワークのレッスンはしたけれど、それはやっぱりレッスンでのこと。仕事では初めてのマイクワークだったのでテンヤワンヤでした(笑)。それでも先輩方は「今、あそこ空いているから入ったほうがいい」と親切に教えてくださって。
ー なぜ、代永さんが主演に選ばれたのか聞いてみましたか?
代永 監督は、新人を使うのはすごく不安だったらしいんです。でも僕が演じた州倭慎吾(すわしんご)は元気で素朴な少年。そこが僕とマッチしたみたいですね(笑)。「新人にしか持っていないものもある」とおっしゃっていました。
ー なるほど。「新人」というのもひとつの魅力なんですね。
代永 そうなのかもしれませんね。この作品の大きなテーマが「平和」や「家族のつながり」なんですが、現場も本当の家族のような温かな雰囲気でした。
ー そして『おおきく振りかぶって』でも主人公、三橋廉(みはしれん)役に抜擢を。
代永 オーディションのお話をいただいてすぐ本を購入して読んだら面白くて。「これはやりたい!」と思いました。1次オーディションはテープ審査でした。マネージャーさんから「お前は三橋にそっくり。そのままの自分を出せればいいから」とアドバイスをいただいて突破できました。続く2次オーディションはそうそうたる役者の方々が集結していました。三橋と同じく主要キャラクターだった阿部君を受ける方と百枝監督を受ける方との掛け合いは、まさにふだんテレビで聞いている役者さんとの共演!オーディションだけど「勉強の場」と思い、出せる限りのものをやりきりました。ちょうど年明け前に3次オーディションの最終結果を聞き、いい新年を迎えられたんです。
ー 『おおきく振りかぶって』は野球をテーマにした作品ですが、スポーツをするときのお芝居で何か工夫はされました か?
代永 三橋はピッチャーなので、ボールを投げるときに息を入れているのか入れてないのか、甲子園を観て研究をしましたが、画面越しに吐息までは聞こえてこないので…。でもどんな動きをするにしても、フッと言葉にはならない吐息があるだろうし、三橋は投げることが好きなので、気持ちを込めて息を入れてやることにしました。
ー 本校で学んだことが現場で生きていると感じる瞬間は?
代永 授業のなかで、熱い砂浜の上に立っていることをイメージするというものがありました。先生が語る砂浜の情景をイメージしていると、本当に足の裏が暑くなってきて汗をかくんですよ。
ー すごい!
代永 僕もビックリしました。『おおきく振りかぶって』の中でも、夏のカンカン照りや雨に打たれながら試合をするシーンがあります。実際にやったことはないけれど、想像すれば体感し演じられることを学んだことが、今すごく役立っているんです。
濃密な「体験入学」で入学を決めた!
ー そもそもTSAに入学したワケは?
代永 パンフレットを見たときに、「アットホームな環境での手作り教育」というキャッチコピーが目に飛び込んできました。また「パーソナルチェックシート」というシートを使って、先生が学生の演技の成長を記録していくという授業スタイルにも興味を持ちましたね。そこで、さっそく友人を誘って「体験入学」に参加してみたんです。当日ドキドキしながら行ってみると、入口で先輩方が「おはよう」「頑張ってね!」「緊張してる?」と声をかけてくださって。一気に緊張がほぐれました。ボーカルレッスンではリズムを取るトレーニングをしたり、音程を変えて遊んでみたり。最後にみんなの前で歌った後には、「君はこんなふうにできるようになると歌はもっと楽しくなる」と具体的に指導してくださったんです。
ー レッスンを体験するだけではなく、アドバイスももらったんですね。
代永 はい。短時間なのに密度の濃い授業でした。他にも声優を養成するスクールは10校ほどめぐりましたが、ここが一番熱心。入学後、「体験入学」で指導してくださった先生方が僕のことを覚えていて、「おっ、よく来たね」と声をかけてくれました。すごいところだなと思いました。
ー 今、同期生との交流はありますか?
代永 ときどき連絡は取り合っています。マウスプロモーションの増田隆之君も同期ですが、僕より先にデビューしました。『遊戯王デュエルモンスターズGX』に出演していると聞いたときは、テレビにかぶりついて観ちゃいましたよ(笑)。悔しいのと、「すげーなぁ」という思いとで...。ここで出会った仲間は絆が強いから、これからも刺激し合っていきたいですね。
※主な出演作は2018年5月の情報、インタビューは2007年に行われたものです。