GRADUATES
第一線で活躍する多くのTSAの卒業生たち
賢プロダクション所属
益山 武明
主な出演作吹替え
- 『三銃士』パク・ダルヒャン(主役)
- 『アイドルマスターSideM』紅井朱雀
- 『夢王国と眠れる100人の王子様』メディ
- 『岸辺露伴は動かない』修一
- 『ミッフィーのぼうけん』ボリス
- 『ラブ・レター』サトシ(主演) ほか
主役を張れる、何かを持っている男になる!
自己満足に浸っていた自分を我に返した先生のひと言
ー なぜTSAを選んだのですか?
益山 体験入学で見た、先輩たちの生き生きとした姿に憧れたからです。体験入学ではレッスンの後に、先輩たちとの交流会があるのですが、僕たちへのはつらつと明るい対応や、先輩同士の和気あいあいとした雰囲気を見て、自分もこの学校に入ったら、こんな笑顔で学べるんだと即決しました。
ー TSAの魅力をあえて一つだけ挙げるなら?
益山 演技未経験でもスッと入っていきやすいカリキュラムだと思います。僕自身、入学前の演技経験はなく、ゼロスタートでした。それでも“芝居とは”という根本的なことから教えてもらったり、マイクのないところでの滑舌や声の出し方を訓練してもらったことで、プロとして勝負できる今があります。まっさらな状態だからこそ、スポンジのように高い吸収力を発揮するので、演技未経験者こそTSAでイチから学ぶことをおすすめします。
ー 授業中に先生から言われたことで印象に残っているのは?
益山 アテレコ実習を担当されている橋本晃一先生に言われたひと言は、一生忘れられません。2年生の時、橋本先生の授業で、ラジオドラマの実習をしたんです。僕がやったのは、第二次世界大戦で徴兵を免れた学生研究者の役でした。友人や親戚が戦地に赴いているのに、なぜ僕だけ...と負い目を感じている役で。
ー とても難しそうな役ですね。
益山 はい。だから、自分の役のことばかりに集中してしまったんです。役の気持ちについて深く考えたし、どう演じるかについても 試行錯誤して。だから、マイクの前で自分のパートを演じ終わってすぐ感極まってボロボロ泣いてしまいました。すると、橋本先生がそんな僕に向かってぼそっと「おい、益山、泣けて気持ちよかったか?」とおっしゃって。あんなにハッとしたことはありませんでした。
ー 熱い語り口で慕われている橋本先生が、ぼそっとつぶやいた?
益山 はい。だからこそ余計に刺さりました。いかに自分が、自分の役を気持ちよくやるかということだけに集中して相手役との演技の掛け合いや、集団で演じる中の一人としての立ち位置を考えずに演じていたかということに、そのひと言で気づかされました。おかげで、その一件以来、台本に対する見方がガラリと変わりました。橋本先生に気付かせてもらっていなかったら、危なかったです、本当に。
先輩・佐藤拓也さんとの共演で目標がよりクリアに
ー 卒業後は賢プロダクションへ。
益山 本校で行われる養成所や事務所の説明会に、賢プロダクションからは野村道子さんがいらっしゃって「今、賢プロダクションで一番求めているのは、外画で主役をバンと張れる、なんか持ってる男なのよ」とおっしゃったのを聞いてアッと。そこのポジションを目指すのは自分だと。なにかのスイッチを押されたような感じでしたね。今も当面の目標は主役です。
ー デビューして1年が経ちましたが、現場はいかがですか?
益山 先日、学校の先輩でもあり事務所の先輩でもある佐藤拓也さんが主役の韓国ドラマで共演させていただいた時に、間近で芝居を拝見して、野村さんがおっしゃっていた「持ってる男」というのは、こういう方のことを言うのだと思い知らされました。華があって品もあって、繊細かつ大胆で。役に対してブレない芯を持っているからこそ、表現という、いろんな球が投げられる。佐藤さんと共演できたことは、非常に刺激になり、いつか僕も主役を、という思いを強くしました。
※主な出演作は2018年5月の情報、インタビューは2013年に行われたものです。