GRADUATES

第一線で活躍する多くのTSAの卒業生たち

古川 由利奈

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古川 由利奈

主な出演作
アニメ
  • 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』ビアンカ・カーライル
  • 『干物妹!うまるちゃん』橘・シルフィンフォード
  • 『恋は雨上がりのように』奥村/喜屋武翔太(幼少期)
  • 『プリンセス・プリンシパル』マリラ
ゲーム
  • 『一血卍傑-ONLINE-』サトリ ほか

表現の幅を広げた〝基礎トレ反復練習〟

バレエ10年の経験がキャラクターの動きを探る

声優を目指したきっかけは?

古川 実は、高校3年の夏休みの受験勉強中に、ふと思い立ってしまい...。「私の人生、このまま黙々と机に向かったまま?仕事もデスクワーク?やりたいことは他にあるのかも...」と。本当に急に、何かが降りてきたかのように「芝居という表現がしたい」と思ったんです。クラシックバレエを10年ほどやっていたので、その延長線上にあった願望だったのかもしれません。

親御さんは驚かれたのでは?

古川 母は少し戸惑っていましたが、父は背中を押してくれました。「やるからには、全力でやりなさい」と。日頃、私は物事を深く考えてしまう方ですが、そのときは直感で行動。TSAも夏期講習に参加し、「この学校なら楽しく学べる!」と直感を信じて入学しました。

〝芝居で表現をする〟ための、初めてのトレーニングはいかがでしたか?

古川 腹式呼吸も知らず、言葉のイントネーションも分からず、全てゼロから教わりました。声優養成といっても、全身を使って表現をし気持ちをしっかりつくっていく訓練の繰り返しで、楽しかったですね。普段の自分ではできないようなことも授業を通してできたりして、発見もありました。

ご自身が変化していったんですね。

古川 一番の変化は、自分の考えを持って、相手に伝えることを学んだこと。授業で芝居 をしている中で「私はこう思った」「もっと こうした方がいい」と意見を伝えなくてはい けない場面が多いんです。もちろんしっかり考えたうえで口にするけれど、思いをストレートに言えばいいかというとそうではない。どう話したら自分の言いたいことが届けられるのか、頭を悩ませました。反対に、周囲の意見を聞いて「そうだったんだ!」と道が開けたことも。バレエは個々で自分を磨くトレーニングだったので、大きな違いですね。

バレエの経験が、活かされていることは?

古川 自分の体に対する意識はしっかりあるので、例えばアニメのキャラクターの動きを見ても、「今は体のココに力が入っているな」と分かります。セリフを言う時には、同じ部位に力を込めてキャラクターと同調できるようにしています。

学内オーディションを経て、事務所の養成所に1年間通ってから預かり、そして所属に。

古川 養成所時代は、基礎トレーニングを頑張りました。腹式呼吸をしっかり定着させると、クリアな音が耳になじみよく入ってきます。自分のやりたい表現の幅が広がるので、卒業後にあらためて、初心に返ってトレーニングし直しました。

一心同体になるまで役を深掘りしアニメでレギュラー獲得

アニメ初レギュラー『干物妹!うまるちゃん』は、どのようにして役を獲得したのでしょうか。

古川 スタジオオーディションでした。審査の前に原作を読んで、橘・シルフィンフォードがどんなキャラクターか探りました。「なぜこのセリフを言ったのか」「セリフを言う前の気持ちはどうだったんだろう」と。自己分析ですが一心同体になれるように、掘り下げて。主人公につっかかっていくキャラクターだけど、実は純粋な女の子。主人公とは単に友達になりたいだけなんだ、と原作で発見したときに、つかめた感じがしました。

愛しい役ですね。

古川 はい、思い入れはあります。毎週登場するので、ブレないように収録に臨みました。原作ファンの方のイメージを崩さないよう、期待を更に超えるように心掛けました。

今後、やってみたいことは?

古川 最もチャレンジしたいのは、歌。芝居とはまた違う、どんな表現の世界が広がっているのか自分でも楽しみなんです。常に全力で表現することを楽しめる、そういう役者であり続けたいです。

※主な出演作は2018年5月の情報、インタビューは2016年に行われたものです。