森川智之
夢を夢のままにして叶わなかったと嘆くより一歩、二歩と踏み出して失敗するほうがいい
声優という仕事を愛してやまず、今や業界になくてはならない森川智之さん。夏休みに開かれた夏期講習の教室に響き渡る受講生たちの元気な声に迎えられ、声優として人に夢を与えるために欠かせない“明るさ”の話から講義はスタートした。

体調管理は大勢の人とかかわるうえで最低限のマナー

<TSA市原理事長>(以下、市原)

お忙しいなか、ありがとうございます!


<森川智之>(以下、森川)

TSAはいつ伺っても、学生さんたちが明るい挨拶で迎えてくれます。すばらしいですね。声優は人に夢を与える仕事です。だから、明るい人にしか務まりません。業界にいる人たちは、みんな普段からとても明るいんですよ。プロになってからも、技術より挨拶ができるか、人となりがどうかというほうに注目が集まっていることを忘れちゃいけません。


<市原>

そうですね。ところで、今年はまだ一日もお休みがないと伺いました。体調管理には相当気を遣われているのではないですか?


<森川>

昔は少しくらい喉が痛くても、見て見ぬふりをして余計こじらせていました。今はすぐお医者さんに行きます。体調管理に関しては、とても素直になりました。


<市原>

では、若い頃はよく体調を崩されていたんですか?


<森川>

はい、よく風邪をひいていました。当時は、風邪をひいたら自分だけが辛いと思っていたんですけど、そうじゃないんですよね。スタジオには声優さん、監督さん、制作スタッフ、テレビ局の方々など、大勢の人たちが忙しい時間に都合をつけて集まっているわけで、自分が風邪をひいて穴をあけると、全体に迷惑がかかってしまう。そのことに気付くまでに、少し時間がかかってしまいましたが…。


<市原>

自分ひとりの問題じゃないからこそ、しっかり管理しなければいけないんですよね。それにしても、アニメ、洋画、ナレーション、イベント、ラジオ、すべてをこなしている森川さんです。この仕事が好きじゃなきゃ務まりませんよね。

<森川>

声優の養成所に通っていた時代から、練習がね、辛くないんですよ。自分の夢に向かっているから楽しくてしょうがない。デビューから26年経ちますが、ずっと楽しくてあっという間な感じでしたね。みんなも声優になって、いっぱいお仕事のリクエストが来たら、全部やりたいよね?


<全員>

はい!


声優を目指すならメールに頼らず生の声でコミュニケーション

<市原>

みんな待ちに待っていた質問タイムです。


<受講生>

業界では、どんな声が好かれますか?


<森川>

口先だけではなく心の底から出る声です。声優を目指すなら、携帯電話のメールに頼り過ぎず、生の声でコミュニケーションをとったほうがいいですね。


<受講生>

喉のケアはどうされているんですか?


<森川>

首を冷やさないように、夏でも首にタオルを巻いて寝ます。あとは口を開けて寝ない。喉は乾燥が大敵なんだよね。僕らの仕事は、朝10時から地球防衛のために声を張らなくちゃいけないから(笑)、喉のケアは万全じゃないとね。


<受講生>

原稿を渡されて本番までに、どんな手順を踏みますか?


<森川>

原稿を渡されたら、まず黙読して内容を把握します。ゆっくり読んじゃだめだよ。本番まで時間がないことがほとんどだから、サッと読む。内容をすべて頭に入れてから初めて声に出して読みます。アニメや洋画の台本も同じです。


<受講生>

緊張はどうやってほぐしますか?


<森川>

自分自身に素直になることがとっても大事です。緊張しているのにもかかわらず緊張を認めないと、余計緊張する。息が上がってたら息をととのえて、肩が上がってたら下げたりして体を緩めていく。緊張はしないように、でも集中はするように、と自分に言い聞かせてみて。


<市原>

本気で声優を目指したい人は、どれぐらいいるのかな?


<受講生>

(全員の手が挙がる)


<森川>

うわー! うれしい、本当にうれしい。夏期講習は無料参加だけれど、地方から来た人は少ないお小遣いをやりくりしたり、親御さんに説明したり、それぞれが踏ん張った結果としてココにいるんだよね。自分の意志で、自分の足で、夢への一歩を踏み出したんだ。夢を夢のままにせず、一歩、二歩と挑戦して、もし叶わなくても「一時期、声優を目指してたんです」と言えたほうが断然いい。頑張ってね!


<全員>ありがとうございました!


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