GRADUATES

第一線で活躍する多くのTSAの卒業生たち

佐藤 拓也

賢プロダクション所属
佐藤 拓也

主な出演作
アニメ
  • 『キャプテン翼』日向小次郎
  • 『ジョジョの奇妙な冒険』シーザー・ツェペリ
  • 『活撃 刀剣乱舞』燭台 切光忠
  • 『ガンダムGのレコンギスタ』マスク/ルイン・リー
  • 『義風堂々!! 兼続と慶次』前田慶次
  • 『ナナマル サンバツ』笹島学人
  • 『D.Gray-man HALLOW』神田ユウ
  • 『カードファイト!! ヴァンガード』櫂トシキ
吹替え
  • 『キック・アス』キック・アス(主役)
  • 『製パン王 キム・タック』キム・タック(主役) ほか

今しかできない一個一個を楽しんで!

欧米人とアジア人では無意識のうちに音圧が異なる

次々と海外ドラマの主演に抜擢を。

佐藤 初主演は『アーロン・ストーン』 でした。嬉しかったけれど、いざ収録が始まると「主役がとちってはいけない」と責任の重さを感じて...。20分番組で僕がほとんどしゃべっているから、リテイクを出し続けると周りの人の出番が遅くなる。それで皆のテンションが落ちたら、上手くいったはずの芝居が抜き録りになり、結果そこだけ空気が途切れてしまう...ということも招いてしまうので。

監督や先輩からアドバイスは?

佐藤 「主役をやろうとしなくていい。自由にやりなさい」と言ってくださいました。共演者の方との掛け合いがあって、芝居が出来上がり、そこで初めて自分が主役にしてもらえるんですよね。だから自分だけが気張ってもダメなんだけど、でもやっぱり初主演というのは独特の緊張感がありました。

その次は『華麗なる遺産』でソヌ役を。俳優のイ・スンギさんは研究されましたか?

佐藤 芝居のたびによく変わるその表情はしっかり観察しました。彼は元々歌手なので、僕が言うのもおこがましいけれど、初々しい面があるんです。そこに親近感を覚えたことで、役に入りやすくなりました。

現場はどんな雰囲気でしたか?

佐藤 共演者の仲が良く、毎回テストのたびに笑いがおきて、芝居に対する突っ込みもあって(笑)。週1回2話ずつの 収録では、ほぼ毎回、皆で食事に行ってました。出演者も皆、作品のファン。次の展開が待ち遠しくて、台本が届くとワクワクして読みました。

『ザ・ホワイトハウス』では黒人男性で大統領の秘書役を演じていました。欧米作品とアジア作品の違いはありますか?

佐藤 欧米人と東洋人では体格が違うので、欧米の男性をやるときは、無意識に音圧が上がっているように思います。僕の場合は、韓国ドラマのほうがやりやすいかな...。

なぜでしょう?

佐藤 韓国ドラマはアメリカの作品よりも感情表現がハッキリしているので、余計に力を掛けてしまうとうるさくなってしまうんです。抑えた芝居を心がけましたが、そこが自分に向いていたのかもしれません。

作品ごとに、微妙な感覚で芝居をコントロールされるんですね。

佐藤 『ザ・ホワイトハウス』は、よりナチュラルな芝居を求められる現場でした。「外画は声を張れ」と教わってきたので「今までとちょっと違うぞ」と、現場で気付いて軌道修正しました。特にこの作品は初レギュラーだったので、台本は真っ黒!いろんな先輩方の話し方をメモして持ち帰り、家でブツブツ真似をしていました。そういう意味ではお仕事だけど、毎回毎回が勉強の場です。

一方、アニメでは『おおきく振りかぶって』で代永 翼さんと共演をしました。

佐藤 TSAの先輩とのお仕事は本当に嬉しいこと。特に代永さんと僕とはまったく異なるタイプなので、その背中を見ているだけで勉強になります。繊細な男の子役がきたときには、「先輩がこんなふうに表現してたぞ」と、僕の表現につながる可能性もあるので、しっかり盗むようにしていました(笑)。

新人期間が終わるここからが本当の勝負

そもそも、なぜTSAに入学を?

佐藤 高校3年の夏、TSAで行われた3日間連続の夏期講習に参加して入学を決めました。講師や担任の先生のお話を聞いていると、学生一人ひとりの居場所を作ってもらえるような気がして。「僕みたいな素人でも、ちゃんと見てもらえそう」という、安心感がありました。

思い出深いイベントは?

佐藤 1年生の冬に発表した、朗読劇「ラヴ・レターズ」ですね。あの時ほど、声で表現することの難しさを痛感したことはなかった。読むだけでは伝わらないし、芝居のプランだけぶつけても自己満足になってしまう。自分の役がどんな想いでその手紙を綴ったのか考えさせられて。1年目は根拠のない自信があり、浅はかな考えで向かったから、箸にも棒にもひっかからなかった。落ち込んで、やってみて、また落ち込んで頑張ってやる、の繰り返し。考えることを、最も鍛えられた舞台でした。

当時の同期生とのつながりは?

佐藤 同じ賢プロダクションに、下田レイと高橋里枝がいます。互いに近況を報告しあって切磋琢磨できる存在です。「もっと仕事取ってやろう」「もっといい作品に出てやろう」という気持ちに自然になりますね。

佐藤さんは今、「ジュニア」と呼ばれる新人期間の3年目。来年からは、いよいよ賢プロダクションの所属俳優として本格的なスタートとなりますね。

佐藤 そうなんです。やっと皆さんと同じフィールドに立てたことになるので、ここからが勝負。僕の場合、ジュニアの年数を重ねるにつれて、やらせていただく仕事の幅が広がったという実感はあるのですが、まだまだ始まったばかり。器用になるのではなく、一つひとつのことを生々しく表現できる役者になりたいですね。世の中が不況だとアニメや外画の数も減るので、使われる人も限られます。そこに食い込んでいくには、もっと緊張感を高めて、もっと鍛えていかないと。

具体的に何か勉強をされていますか?

佐藤 外部の劇団のワークショップに参加したり、戯曲集や小説を読んだり。映画を観るのも勉強になります。

最後に声優を目指す人にメッセージを。

佐藤 「今しかできないこと」がたくさんあります。友達と遊びに行って朝まで一緒にグダグダしているとか(笑)、くだらないようなことでも、無意識にやっている「今しかできない」一個一個を大事にしてください。どんな小さな経験も芝居に生かせるから、おおいに今を楽しんでください。

※ 主な出演作は2018年5月の情報、インタビューは2010年に行われたものです。